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2024/11/02
INTERVIEW
松本クラフト推進協会
私からあなたへ
暮らしと工芸を繋げる『松本クラフト推進協会』がもの創りの喜びを多くの人に伝えたいと考え発足されたのは1987年のこと。発表の場をもたない個人の工芸作家による展示販売会としてスタートした『クラフトフェアまつもと』(※1)を皮切りに、体験型クラフトイベント『クラフトピクニック』、松本の工芸月間として開かれる『工芸の五月』が開催されてきた。発足から数十年という長い歴史の中で、松本が全国的に工芸のまちとして認知されるまで至った貢献度は計り知れない。2024年には40回目の節目を迎えた『クラフトフェアまつもと』に初回開催から参加し、その発展を見守り続けてきた、代表理事の伊藤博敏(いとうひろとし)さんとその歩みを辿る。
◉旅人インタビュー・文=佐々木 新 写真=木吉
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2024/04/26
INTERVIEW
へんみ櫛店
伝承と創造のはざまで
変わらないものづくりと変わるものづくり木曽地方に300年近い歴史を持つ「お六櫛」と呼ばれる木の櫛がある。我々現代人の生活に於いて木櫛はいつしか“必需品”と呼ばれるには遠くなってしまったが、「オノオレカンバ」の木を鋸で挽きゆっくりじっくりと作られる「お六櫛」は、心地良さや使う喜びから今再び新しいものとして少しずつ認知が広まり、若い女性を中心にその魅力に触れる方が増えている。「へんみ櫛店」逸見英隆(へんみひでたか)さんはそんな「お六櫛」の最年少となる作り手であり、櫛づくりの未来に静かに取り組む探求者だ。伝承と創造の間で逸見さんの心の内に燃える熱情を知るため、ゆっくりとその言葉に耳を澄ます機会を頂いた。
◉旅人インタビュー・文=大久保修子(Gallery sen) 写真=河谷俊輔
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2024/04/26
COLUMN
蘇るあの夏の松本
2024年春号で松本のつくるひとにインタビュアーとして話を聞いたのは、松本市中山で手仕事の生活道具を紹介している「Gallery Sen」オーナー大久保修子(おおくぼしゅうこ)さん。つくり手に「突っ込んだ店」であることで、モノが生まれるまでのプロセスを共有し、道具と出会う喜びや長く愛着を持つ楽しみの場を創造している大久保さんは、2012年に京都から松本に移住をしてきた。その松本での思い出や感じたことを綴るエッセイ。
◉文=大久保修子 (Gallery sen) 挿画=中沢貴之
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2024/02/14
INTERVIEW
山山食堂
おいしい記憶と
偶然の出会いが詰まった箱日本アルプスをはじめ圧倒的な自然に囲まれた山岳都市・松本。山の「麓」とも呼ばれる街中に朝7時から朝ごはんが食べられる場所がある。その名も「山山(さんさん)食堂」。店主の高橋英紀(たかはしひでき)さんは、富山は立山・剣御前(つるぎごぜん)の山小屋で10年、厨房を切り盛りしたのち、松本へ移住。その2年後、2019年春に自分の店を開いた。そこはどんな場所で、どんな朝ごはんが食べられるのだろう。静かな冬の朝、好奇心と空っぽのお腹を携えて山山食堂を訪ねた。
◉旅人インタビュー・文=徳 瑠里香 写真=河谷俊輔
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2024/02/14
INTERVIEW
鉢伏山荘(冬期営業)
山と街で
そこにある美しさを見つめる北アルプスや松本平が見渡せる「鉢伏山」(※1)。山頂にほど近いところにある「鉢伏山荘(はちぶせさんそう)」は今シーズンから冬季営業を本格的に開始した。雪が降りインフラの確保が難しいため、多くの山小屋がオフシーズンとなる冬にどうして、「鉢伏山荘」を開くことになったのか。その背景には、ひとりの女性のピュアな情熱と友情と、人生の足跡があった。
◉旅人インタビュー・文=徳 瑠里香 写真=河谷俊輔
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2024/02/14
COLUMN
わたしに還る松本
松本のつくるひとたちをインタビューして回った旅人インタビュアーが、松本への小さな旅で感じたことを綴るエッセイ。母であり妻であり編集者・ライターでもある旅人は、いったいどんな松本を見つけたのだろうか。
◉文=徳 瑠里香 挿画=中沢貴之
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2023/07/29
INTERVIEW
YANOBI
様式美を越えて
無意識のうちに
美しいと感じるものづくり『YANOBI』は、プロダクト・工藝デザイナーである井出八州(いでやしま )さんとグラフィックデザイナーである北原美菜子(きたはらみなこ )さんによるデザインユニット。長野県松本市の「マツモトアートセンター」で出会ったふたりは、夫婦であり、仕事のパートナーでもある。『YANOBI』のデザインで特長的なことは、奇を衒うことよりも現場の技術をより突出させ、魅力が伝わるような配慮がなされていること。シンプルさ、美しい余白が使い手の心を豊かにする。子どもが生まれたことをきっかけに、ふたりが東京を離れて地元に戻ったのは2017年のこと。安曇野から松本に移住した現在、どのような暮らしをおくり、仕事へ 向き合っているのだろうか。美しいものづくりをする『YANOBI』の秘密が隠された、夫妻の自宅事務所を訪ねた。
◉旅人インタビュー・文=佐々木 新 写真=砺波周平
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2023/07/29
INTERVIEW
Otama
場の関係を結び直し
“私”を再構築するOtamaこと、太田真紀(おおたまき)さんはイラストレーションを軸とした物語を伝えるデザインや、ブランドの世界観づくり、ヴィジョンの視覚化などを得意とするクリエイター。松本で生まれ育ち、東京の武蔵野美術大学でデザインの基礎を学び、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業。その後、デザイン・イノベーション・ファーム「Takram」にデザイナーとして参加した。東京で幅広いヴィジュアルデザインの仕事に携わってきた太田さんが独立すると同時に東京を離れて向かった先は松本だった。幼少期から成長した太田さんのまなざしには、故郷はいったいどのように映るのだろうか。
◉旅人インタビュー・文=佐々木 新 写真=木吉
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2023/07/29
COLUMN
「窓」から見る松本
松本のつくるひとたちをインタビューして回った旅人インタビュアーが、松本で感じたことを綴る。松本を訪れたのは初めてという旅人は、いったいどんな松本を見つけたのだろうか。キーワード は「窓」だった。
◉文=佐々木 新 挿画=中沢貴之
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2023/07/28
INTERVIEW
むすび農園
土と一緒にある生活が
一番気持ちいい農を業とした生業にするとなると、作物を育て販売して生計を立てることになる。一般的な農家のイメージとはそのようなものだと思う。だが、農家には、また別の成り立ちもあることを、中山地区にある『むすび農園』は教えてくれる。人間は、誰しも食べなければ生きていけない。だからこそ、生きていくこと、暮らしていくこと、その中の一番根っこの部分である、自分たちが食べるものを、自分たちで育てたいと思い、土に立つ人は全員が農家なのだ。そんな農家たちが集うコミュニティとしての農園が『むすび農園』なのである。茨城から移住して10年を超える歳月を迎える『むすび農園』。主宰する阪本考司(さかもとこうじ)・瑞恵(みずえ)さん夫妻を訪ねた。
◉旅人インタビュー・文=小倉 崇 写真=木吉
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2023/07/28
INTERVIEW
米澤ほうき工房
松本箒は
最新家電松本箒の歴史は古い。明治初期から農家の副業として始まり、最盛期には120〜130戸の農家が作っていたという。しかし、電気掃除機の誕生によって、箒を使う家庭は一気に減っていき、今では松本箒を生産しているのは、米澤ほうき工房だけだという。そのことを知って、米澤資修(よねざわもとなお)さんを訪ねてみたくなったのは、たった一人で伝統文化を受け継ぎ、守ろうとしている職人とはどんな人なのか言葉を交わしてみたくなったからだ。ところが、会ってすぐに米澤さんの口から発せられた言葉は、こちらの安直なイメージを驚くほど気持ちよく裏切ってくれるものだった。
◉旅人インタビュー・文=小倉 崇 写真=木吉
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2023/07/28
COLUMN
松本逍遥
松本のつくるひとたちをインタビューして回った旅人インタビュアーが、取材の合間に歩き回った松本の思い出を綴るリレー形式エッセイ。かつては、機内誌やカルチャー誌などの編集者/ライターとして国内外を旅し、現在はアーバンファーミングを広めるNPOをも主宰する旅人が松本を散策しながら見たこと、感じたこと。
◉文=小倉 崇 挿画=中沢貴之
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2023/03/08
INTERVIEW
大久保ハウス木工舎/Gallery sen
使う人の声に寄り添う夫のものづくり
作る人に伴走する妻の場づくり松本市中山には、縄文時代の遺跡も多く古えより人々の暮らしがあった地域がある。かつて千石と呼ばれたその場所で、大久保公太郎(おおくぼこうたろう)さん・修子(しゅうこ)さん夫妻は暮らしと仕事を営んでいる。木工作家の公太郎さんが作るのは、木の調理道具やカトラリー。クラフトショップを運営する修子さんが扱っているのは、器や調理道具、布などの生活の道具。ふたりの親しみやすくも凛とした佇まいは、静かな信州の里山の風景にとてもよく似合っているような気がした。
◉旅人インタビュー・文=川瀬佐千子 写真=木吉
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2023/03/08
INTERVIEW
REVONTULI
山々をのぞむ街で
“好き”を集めた自分の世界をつくるスタイリストの荻野玲子(おぎのれいこ)さんが松本市蟻ヶ崎にヴィンテージショップ「REVONTULI(レヴォントゥリ)」をオープンしたのは2022年の夏のこと。東京で雑誌や広告の仕事をしながらこの場所でお店を始めたきっかけをたどるとそこには燕岳があり、また彼女のつくりだす世界をひもとくとそこには誰かから受け継いだ古き良きものへのやさしいまなざしがあった。
◉旅人インタビュー・文=川瀬佐千子 写真=木吉
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2023/03/08
INTERVIEW
まるも旅館
変えるのではなく
そのままを磨くこと民芸の街・松本の風景の一翼を担う「まるも旅館」。明治期に建てられた現在の蔵造りの建物は、白壁に黒々とした木の面格子が映える風情あるたたずまい。できる限り「そのまま」を残し、昔ながらの旅籠の雰囲気を漂わせる宿にはファンも多い。旅館の主人は4代目の三浦史博(みうらふみひろ)さん。価値観や常識が急速に変化している中で、受け継いだものを残していくために、彼が大切にしていることがある。
◉旅人インタビュー・文=川瀬佐千子 写真=木吉
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2023/03/08
COLUMN
松本を飲む
冬の旅人が歩いた
水の街松本のこと松本のつくるひとたちをインタビューして回った旅人インタビュアーが、取材の合間に歩き回った松本の思い出を綴る。松本を訪れたのは初めてという旅人は、いったいどんな松本を見つけたのだろうか。散歩のキーワードは「水」だった。
◉文=川瀬佐千子 挿画=中沢貴之
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